造園技術植栽基盤診断

植物の生育には植栽する土壌基盤が重要です。

植物が良好な生育を行うためには良好な生育環境が不可欠です。特に樹木が生育するためには地中に根を張り水分などを吸収するための有効な土層厚と土壌の通気性・透水性及び化学特性が良好であることが求められます。
特に、埋め立て地や工場跡地などでは樹木が良好に生育できる土壌環境が確保されない場合などが重なりますので、植栽を行う前に十分な土壌調査をおこなって必要に応じて改良等を行う必要があります。

土壌硬度測定
〔長谷川式土壌貫入計〕

樹木の良好な生育には十分に根が張れる土壌の深さ(土層厚)を確認し、その土壌が根の伸長を妨げない硬さであるか調べる必要があります。当社では、土を掘らないで土壌硬度を測定できる「長谷川式土壌貫入計」を用いて測定します。
※植穴を掘ったときに調査する場合には「山中式土壌硬度計」も使用します。

現地測定(例)・測定結果をグラフ化(例)

現場透水試験測定
〔長谷川式簡易現場透水試験器〕

樹木が良好に生育するためには、適度な透水性が確保されていることが大変重要です。透水性能が悪いと根腐れの原因になり樹木の生育が極端に悪くなり最終的には枯れてしまいます。透水性能と合わせて通気性も非常に重要ですが透水性が良い土壌は一般的に通気性も良好となります。
※土壌を採取して行う室内試験による土壌水分調査も必要な場合は実施します。

現地測定(例)

長谷川式透水試験器による透水性の判定基準

減水速度(最終減水能)(mm/hr) 10以下 10~30 30~100 100以上
土壌の排水性判定 不良 やや不良 良好
減水速度
(最終減水能)
(mm/hr)
土壌の排水性判定
10以下 不良
10~30 やや不良
30~100
100以上 良好

その他測定 〔室内試験〕

酸度 〔pH(H2O)〕

土壌酸度を測定します。特にアルカリ土壌には注意が必要です。


電気伝導度〔EC〕

土壌中のイオン濃度を測定することにより肥料分を把握します。


土性〔土壌粒子〕

国際土壌学会法は細砂、粗砂、シルト、粘土の4成分の百分率を定し、砂=粗砂+細砂として粒径区分に基づいた土壌三角図表に当てはめ14の土性に区分する。 ※その他簡易的に指頭法などにより判定する。