造園技術樹木診断

科学的で精度の高い「総合診断」が可能です。

樹木診断とは、樹木の健康状態を正確に把握し、土壌改良や樹木が健全に生育する環境をご提案していくための手法です。 当社では、外観や打音などで診断を行い、異常が疑われる場合には次の段階として精密機械を使用し、科学的に精度を高めた診断を行っています。 また、必要に応じて専門機関と提携し、病虫害や子実体などの同定や土壌分析も行います。最終的には樹木の置かれている生育環境も考慮して、総合的に診断するものです。

診断フロー

樹木の状態を把握するために、最初に鋼棒貫入や木槌を用いて樹木医による外観診断を実施し樹木の概要を把握します。樹木の健康状態によっては外観診断のみで診断を完了するものもありますが、より詳細な診断を要する場合はマイクロハンマーやピカスといった診断機器を用いて右図の様な方法で、樹木医が「総合的に」樹木を診断して処方をご提案いたします。

❶ 外観診断

樹形・樹勢(葉の量・大きさ・色、幹の色、新陳代謝など)や傷の種類・有無などから全体の活力を診断します。

鋼棒貫入による樹幹内部診断(例)
木槌による樹幹内部診断(例)

❷ 精密機械診断-1[ 使用機器:マイクロハンマー ]

幹の2点に専用のネジを打ち、その間を通過する弾性波の速度を数値で記録します。
弾性波が健全部を通過する速度は、腐朽・空洞等を通過する速度よりも速いという理論に基づいています。

マイクロハンマー(インパルハンマーの改良版)の測定値では健全な場合、通常1,000~1,200m/sec以上の値が出ますが 樹幹内部に腐朽や空洞などがあると測定値は低く出ます。(樹種により異なります。)

測定結果の表示例

健全な場合、通常1,000~1,200m/sec以上の値が出ます。(樹種により異なります。)


❸ 精密機械診断2[ 使用機器:ピカス ]

幹にぐるりと取り付けたセンサーの間を通過する弾性波を測定し樹⽊の断⾯画像を作成することができる機器(ピカス)を用いて、樹⽊内部に腐朽‧空洞がないか検査します。樹⽊内部が健康かどうかを診断する⽅法です。

センサーを幹に取り付(例)
幹の断面画像(例)

特徴(1)|樹木への負担が軽い
ピカスのセンサーは、市販のピンや鉄釘を幹に軽く打ち込むだけなので、ほぼ非破壊で樹木に負担をかけずに計測を行うことがきます。(ピンや鉄釘は測定後に幹から除去します)
特徴(2)|診断結果のビジュアル化
測定後、その場ですぐに断面画像が表示されるので結果が直感的に判り易いです。ビジュアル画像はご依頼者や第三者(事業主様や近隣にお住まいの方など)への説明する資料としても有効に使えます。

ピカスによる樹木診断

ピカス(音波を用いた断層画像診断)

幹に複数個の釘を打ち、その間を通過する弾性波の速度から内部の断層画像をカラー表示します。固い材中を伝わる音波の速度は、腐朽などでやわらかい材中の速度より速いと言う原理に基づき、伝播速度の絶対値を相対比較し画像化します。

ピカス
測定結果の表示例